工場は、先代の名義でした。
会社の土地ではなく、個人の土地。
地代は、特に取っていません。
ずっと、それで回ってきました。
先代が亡くなります。
遺言は、ありませんでした。
そのとき、工場の敷地は
相続人全員の共有になります。
(民法898条)
会社を継いだあなた。
東京に出た弟。
嫁いだ妹。
三人で、三分の一ずつ。
ここから、話が止まります。
銀行に借入を申し込む。
担保に入れようとする。
共有物に抵当権を設定するには、
全員の同意が要ります。
(民法251条1項)
弟が、こう言います。
「兄さんだけ、会社で儲けてるよな」
地代を払え。
持分を買い取れ。
金額が、折り合いません。
話がつかなければ、
共有物分割の裁判へ進みます。
(民法258条1項)
工場の敷地が、競売にかかる。
そういう結論もあります。
相続から十年を過ぎると、
特別受益や寄与分を
主張できなくなります。
(民法904条の3)
相続登記も、義務です。
(不動産登記法76条の2第1項)
知ってから三年以内。
防ぐ方法は、先代が元気なうちに。
事業用不動産を、
後継者に相続させる遺言を作る。
(民法964条、969条)
他の子には、別の財産を。
足りなければ、生命保険で手当てする。
遺留分には、配慮が要ります。
(民法1042条1項)
会社名義に移す選択肢もあります。
効くのは、工場や店舗が個人名義の会社。
後継者が決まっている家。
きょうだいが複数いる経営者。
順番は、
1,事業用不動産の名義を確認する。
2,後継者を誰にするか決める。
3,遺言と資金の手当てを同時に組む。
継がせるのは、会社だけではない。
土地も、一緒に渡してください。
その工場、誰の名義ですか。
あなたはどうしますか。