母の施設の支払い。
オムツ。薬。タクシー代。
通帳を預かって、
毎月、あなたが下ろしていました。
誰もやりたがらなかった。
だから、引き受けた。
その三年後。
母が亡くなり、遺産分割の話し合い。
遠方に住む弟が、言います。
「通帳、見せてよ」
取引履歴を取り寄せられる。
五年分、ずらりと並びます。
毎月12万円。
ときどき、30万円。
「これ、何に使ったの」
覚えていません。
領収書も、捨てました。
このとき、立場が逆転します。
説明するのは、預かった側です。
使途不明金として扱われ、
返すよう求められることがある。
(民法703条、709条)
履歴は、銀行に残っています。
相続人は、単独で開示を求められます。
(最高裁平成21年1月22日判決)
介護をした分は、
寄与分として主張できます。
(民法904条の2第1項)
ただし、これも立証が要る。
通帳を預かるのは、親切です。
その親切が、疑いに変わる。
何度も見てきました。
そのたびに、やりきれません。
効くのは、親の通帳を預かる方。
きょうだいが遠方にいる方。
現金で立て替えている方。
順番は、
1,親の口座と自分の口座を分ける。
2,領収書は、封筒に放り込む。
3,月末に、金額と用途を一行書く。
ノートでも、スマホのメモでもいい。
一行です。
一分で終わります。
その一分が、三年後に効きます。
今月の出金、思い出せますか。
あなたはどうしますか。