朝、社長が救急車で運ばれた。
一報を受けた事務所で、
誰かが最初に気づきます。
振込ができない。
ネットバンキングのIDも、
ワンタイムパスワードの端末も、
社長の手元にあります。
来週は、仕入先への支払日。
月末には、給与。
私も、この相談を受けたことがあります。
電話の向こうで、専務が言いました。
「明日の支払いが、できません」
声が、震えていました。
倒れても、会社は動きません。
動かすのは、権限を持った人だけです。
代表取締役が一人なら、
契約も、決裁も、止まります。
株主総会を開こうにも、
招集するのは取締役です。
(会社法296条3項)
意識が戻らなければ、
成年後見の申立てへ進む。
(民法7条)
選任まで、数か月かかります。
その間、支払いは待ってくれません。
備えは、大きく三つ。
取締役をもう一人置く。
代表権のある人を、二人にしておく。
口座の権限を分ける。
副代表名義の振込権限を作る。
そして、株式です。
社長が亡くなれば、
株は相続人に分散します。
(民法898条)
議決権がまとまらず、
何も決められなくなる。
遺言で承継先を決めておく。
(民法964条)
効くのは、代表が一人の会社。
株を100パーセント持つ社長。
後継者を口頭でしか決めていない会社。
順番は、
1,支払いの代行者を決める。
2,通帳と印鑑の場所を共有する。
3,株の行き先を遺言に書く。
元気なうちにしか、できません。
社長が三日いなくても、
会社は回りますか。
あなたはどうしますか。